Immersive Time

Immersive…没頭させるような;夢中にさせる

イマーシブシアターとは?

イマーシブシアター(Immersive theater)とは、2000年代にイギリスで設立された劇団パンチドランク(Punchdrunk)が生み出した”没入型演劇”の作品の総称です。

イギリスのロンドンから始まり、以降ブロードウェイの本場であるニューヨークを中心に注目が集まっています。

最大の特徴は、”没入型演劇”という名の通り、まるで自分が作品の世界の中にはいったかのような没入感を得ることができること。

というのもイマーシブシアターの劇場に、座席はありません。演者と私たち観客の間に、通常あるはずの隔たりがないのです。

観客は、劇場である建物の中で同時多発的に行われているパフォーマンスを、自由に歩き回りながら、自由な視点で観ることができます。

演者と同じ目線の高さで、手が届いてしまうような距離感で行われるパフォーマンスによって、観客であるはずの自分が、まるで作品の一部になったような感覚になるのです。

イマーシブシアターにこのような座席は存在しません。

先ほど、自由に歩き回れるとお伝えしましたが、作品によって観客の行動範囲は異なります。本当に自由に動き回れるものもあれば、演者によって数人に分かれて誘導されるタイプも…

どのスタイルにせよ、観客によって異なるキャラクターやストーリーを目撃することになる、というのもイマーシブシアターの特徴といえます。

同じ演劇作品のはずなのに、人によって得られる情報や内容が異なる、というのは何とも不思議ですよね。

作品によっては、自分は全く見ることのなかったキャラクターがいたことを、終演後に他の参加者から聞いて知る、なんてこともあるのです。

どうです?イマーシブシアター、面白いでしょう?

 

そんなイマーシブシアターの金字塔と謳われる作品は、ニューヨークのオフブロードウェイである『スリープノーモア(Sleep No More)』です。

同作は2003年にロンドンで初公演後、ニューヨークでも上演され反響を呼び、2011年から常設型作品としてロングラン上演しています。

この作品は、他イマーシブシアター作品にも大きな影響を与えており、筆者が本ブログをはじめるきっかけにもなった作品です。

スリープノーモアについては、別記事でチケット購入方法から必見ポイントや体験レポートまで、さまざまな記事を作成予定ですのでお楽しみに!

さて、世界で注目の集まっているイマージブシアターですが、日本でその名が知られるきっかけとなったのは、2018年から2019年にユニバーサル・スタジオ・ジャパンで上演された『ホテル・アルバート』シリーズの存在が大きいといえるでしょう。

当時、”大人ハロウィーン”として期間限定開催をした当作品は、人気テーマパークで体験できる斬新な没入型体験としてメディアでも大きく取り上げられました。

また、詳しく調べてみると、ダンスカンパニーの「DAZZLE」が日本のイマーシブシアターの先駆的存在として、2017年より作品を発表しています。

このように日本では、ここ数年の間に浸透し始めたばかりの最新のエンターテイメントとして注目を集めていました。

そんな矢先、コロナ禍に突入。

イマーシブシアターやエンタメ業界だけでなく、私たちの日常生活も一時は全てが止まってしまったように思ましたが、コロナ禍を経た今…

なんと、2024年春に世界初のイマーシブ・テーマパークである「イマーシブ・フォート東京」がお台場にできるとの発表が先日行われました!

 

当ブログは、これから日本でもその名を聞くことが多くなるであろうイマーシブシアターについて、より興味を持っていただきたいという想いからスタートしています。

主にイマーシブシアターの金字塔である「スリープノーモア」を中心に、みなさまへイマーシブな時間をお届けして参りますので、よろしくお願いします!